ゴルフで捻転しすぎるのはNG?良くない理由と適切な捻転の作り方を解説!
ゴルフでスイングをするときに捻転は非常に大切です。捻転をしないと手打ちになる可能性が高く、また飛距離もでません。一方、捻転が大切だといっても、捻転をしすぎるとボールが安定せず、飛距離も大きく落ちてしまいます。適切な捻転をして飛距離と安定の両方を手に入れましょう。
ゴルフスイングの捻転とは何か
ゴルフスイングでトップの位置にきたときに、足、腰、背中、腕が捻じれるような形になることが捻転です。捻転の度合いは体の柔らかさで決まってきます。体が柔らかい女性の場合は捻転を大きくできます。一方、体の固い人やシニアになってくると捻転ができなくなってきます。
捻転をしないと手だけでクラブを持ち上げてしまい飛距離がでません。逆に捻転を大きくすれば飛距離は伸びるのでしょうか。プロゴルファーでは捻転を大きくして飛距離を出している横峯さくらプロのような人もいますが、アマチュアではプロのようなスイングをすることは難しいでしょう。ただ捻転を大きくすれば飛距離が伸びる、ということはありません。
適切な捻転の作り方
では、適切な捻転とはどのように作ったら良いかの基準を説明しましょう。ただ、体の柔軟性によって捻転の程度は異なります。無理をして捻転をしても安定性に欠けるので自分に合った捻転の度合いを見つけることも重要です。
捻転の度合い
トップの位置で腰は45度程度回転し、両肩を結んだ線が90度程度まで回転した状態になります。つまり、背中が目標方向に向くことになります。この時に左足のかかとは少し浮く状態にします。
トップで適切な捻転とグリップの位置の作り方
クラブを両手で握って真っすぐに立ちます。そして、両腕が地面と平行になるまで持ち上げます。次にクラブを自分の正面で、手首を使って地面と垂直になるように立てます。その後、そのクラブを右方向に45度傾けてください。
この状態を保ちながら腰を45度、両肩を90度回転させてください。そして、そのまま前傾姿勢を作ると適切な捻転の形ができます。
最後に伸びている右腕の肘を軽く曲げてください。注意することは右の肘を地面の方に向けて曲げることです。この時に左肩があごの下に入るような感覚にすると捻転の位置とトップの位置が完成します。
捻転をしすぎるデメリット
捻転は飛距離を出すためには重要な要素の一つですが、捻転をしすぎるとデメリットの方が多くなってしまいます。捻転をしすぎるとどのようになるのか説明しましょう。
正しい体重移動ができなくなる
捻転をしすぎるとトップの位置で必要以上に右足に体重が移ってしまうことがあります。そうするとダウンスイングで左への体重移動ができず、アッパースイングになり飛距離が大きく落ちてしまいます。
スイングの再現性が悪くなる
無理をして捻転をしているので正しいスイングのプレーンから外れやすくなってしまいます。そうするとインパクトでボールを正確に捉えることができないので、ダフリやトップが出やすくなります。また、フェースの根元や先端部にあたりスライスやフックが出やすくなります。
インパクトで減速してしまう
飛ばそうとして捻転を大きくするつもりでも、トップからインパクトまでの距離が長くなるので、スイングスピードがインパクトで落ちてしまいます。つまり手前で最大のヘッドスピードになり、インパクトではヘッドスピードが減速してしまうのです。
オーバースイングとは
プロゴルファーのスイングは捻転に加えて、正面から見ると左腕が地面に垂直に見えるくらいまで立っています。そしてトップの位置でクラブが地面に平行になっています。これは体の柔軟性があるからできるからで、それを真似ようとするとオーバースイングになりやすくなります。ここではオーバースイングになる原因を説明します。
トップで手首が甲側に折れてしまう
深いトップを作ろうとするとトップで左手の甲が甲側に折れてしまうことがあります。そうすると捻転をあまりしなくてもトップでヘッドの位置を深くできます。これはオーバースイングの状態で、クラブを元の位置に戻すのに力が必要になってしまい、インパクトではスピードが極端に落ちてしまいます。
クロスシャフトになる
クロスシャフトとはトップでヘッドの位置が頭より前に出てしまう状態のことを言います。右肘が地面方向ではなく体の後ろ方向に向いているとこの形になりやすくなります。これもオーバースイングの一種です。この形からダウンスイングを開始するとアウトサイドインのスイングになりやすくなり、スライスボールが出やすくなります。
捻転のしすぎとオーバースイングは違う
アマチュアにとって捻転を大きくすることはかなり難しい課題です。捻転ができる範囲を越えて無理に体を回そうとすると足腰のバランスが崩れてしまいます。捻転を大きくするためには体の柔軟性をよくする必要があります。
一方、オーバースイングは手だけで調整ができるので、簡単にトップを深くすることができてしまいます。この結果、深いトップができているつもりでも、飛距離が出ないという結果になります。
捻転には柔らかい体と下半身の強化が必要
捻転を大きくして深いトップを作り、飛距離を伸ばすためには体が柔らかでなければなりません。また、体が柔らかくなっても、安定した下半身ができていないと前傾姿勢が崩れてしまいます。
プロゴルファーが捻転を大きくしても安定しているのは、走り込みなどで下半身も安定しているからです。ゴルフの捻転を自然にできるようにする「どこでもできるストレッチ」を紹介しましょう。
真っすぐに立って息を吐きながら、上半身だけを右に回していきましょう。両手は下におろしておいて構いません。顔はできるだけ正面に残します。この状態を10秒くらい維持します。反対側も同じようにします。これを3セット行ってください。合計で1分のストレッチです。
次に真っすぐ立ったまま、体を真横に右に傾けます。これも同じように10秒程度維持し、反対側にも傾けます。これも3セット行います。
この2種類のストレッチを毎朝すると捻転に関する筋肉が柔らかくなってきますので、捻転を深くすることができるようになります。また、練習前、ラウンド前やラウンドの昼の休憩後にこのストレッチをするのも効果的です。
自分にあった捻転をしよう
捻転は人によって程度が異なります。また、年齢によっても捻転度合いは変わってきます。例えば、シニアツアープロの若い頃のスイングの映像と現在の映像を比較すると、捻転の度合いは明らかに違っています。
体の固い人は捻転のできるギリギリの所を限度としてください。それ以上、回そうとすると捻転をしすぎることになります。無理に回そうとすると、左足のかかとを必要以上に大きく上げてしまったり、右の腰を引きすぎてしまい逆に腰と上半身の捻じれが無くなってしまいます。
しかし、適切な捻転がどの程度なのかわからない場合もあると思います。練習場で自分の適切な捻転の程度を把握する練習方法を紹介しましょう。
芯にあたる捻転の度合いを見つける
ドライバーを使ってスイングを行い、捻転度合いによって芯に当たる確率が高い度合いを見つけます。
普段の捻転度合いで何球か打って体を慣らしてください。その時に左肩の位置がどこにあるのかをチェックします。ここを自分の捻転の基準とします。
この基準より少し捻転を少なくして5球打ってください。飛距離は気にせずにフェースの芯に当たるかどうかを確認してください。納得できる当たりが何球あったかを数えてください
次に基準の位置で5球打って、同じように芯に当たる数を数えてください。そして、最後に基準の位置より大きく捻転をして5球打って芯に当たる数を確認します。
この中で最も芯に当たる数の多かった捻転度合いが自分にあった捻転の度合いです。自分の基準より捻転度合いが少ない打ち方が最も芯に当たる場合は、基準そのものが捻転のしすぎといえるかもしれません。
飛距離を伸ばすために少しずつ捻転を大きくする
捻転が少ないと飛距離は落ちます。飛距離を伸ばすために無理に捻転を大きくすると芯に当たらなくなる確率が増えます。少しずつ捻転を大きくしていくようにしましょう。一日の練習の中でも、少しずつ捻転を大きくするとよいでしょう。
まとめ
捻転は飛距離アップにとても大事です。適切な捻転の度合いはありますが、人それぞれで真捻転をできる限度は違います。捻転のしすぎというのは自分にあった捻転の大きさ以上に無理に捻転してしまうことです。その結果、ボールを安定して打てなくなってしまうのです。
現在の自分の捻転の基準を見つけて、少しずつ捻転を大きくするようにしてください。そのためには体の柔軟性も大切ですので、ストレッチなどで捻転ができる体づくりも一緒にするようにしましょう。