グリーンのピッチマークとは?正しい道具の選び方と修復方法を紹介!
本記事では、初心者ゴルファーがピッチマークを簡単に修復できるよう、道具の選び方とその使い方、また修復するタイミングを詳しくご紹介いたします。また、ピッチマークを見過ごすことができなくなるグリーンの豆知識も一緒にご紹介いたします。
ピッチマークとは?
ピッチマークとはグリーン上にボールが落ちた時にできる小さなくぼみで、ボールマークやディボットマークと表現する方もいます。
グリーンはいろんな軌道で飛んでくるボールをすべて受け止めます。グリーンの芝は4ミリ以下という非常に低い刈高で刈りこまれており、強く、高い弾道で落ちてくるボールほど深く大きいピッチマークをグリーン上に残します。
また、梅雨の時期や大雨の後などグリーンがやわらかいときは、特にピッチマークがつきやすくなります。
形も様々なピッチマーク
初心者の方はボールのスピン量も少なく、あまり大きなピッチマークはつかないかもしれませんが、よく見るとグリーン上にくぼみが見えると思います。
くぼみ全体が深く、まわりの芝が円状に盛り上がっているピッチマークほど元に戻るための時間が必要となります。また、ボールの入射角によっては、片側だけが土手のように盛り上がったり、芝が柔らかいときは盛り上がった芝も一緒にはがれて飛んでいくこともあります。
ピッチマークのプレーへの影響
最初は小さなくぼみでも、そのまま放置するとその部分だけ芝が退化し、パターの際にボールが弾んだりラインが外れたりとプレーに支障が出ることもあります。
ライン読みに自信があっても、ピッチマークが邪魔をして悔しい思いをすることもあるでしょう。また、ゴルフは自分の組だけではなく前後の組への配慮も必要なスポーツです。後続組が気持ちよくプレーできるよう、ピッチマークを見つけたら修復しましょう。
ピッチマークの修復方法
次はピッチマークを修復するための道具の選び方とその道具を使用した具体的な修復方法をご紹介いたします。
フォークの選びかた
必要なものはグリーンフォークです。グリーンフォークとは、グリーンのピッチマークを直すための道具で、名前の通り小さなフォークの形をしています。
ゴルフショップでも売られていますが、最近はキャディが少なく、セルフラウンドが増えているため、スタート室にグリーンフォークを準備しているゴルフ場が多くなりました。プラスチック製やステンレス製のものが多く、形も様々です。
1本爪タイプもありますが、初心者の方には2本または3本爪のフォークタイプの方が修復もしやすくおすすめです。
また、ゴルフ場で準備してあるフォークだけではなく、名門コースと呼ばれるゴルフ場のショップにはお土産品として販売していることもあります。
お気に入りのコースや思い出のコースのグリーンフォークはなぜか使いたくなるものです。いろんなコースやショップでお気に入りの1本を見つけてみてください。
ピッチマーク修復のタイミング
ボールがグリーンオンしたら、まずは自分のボールを確認しマークしましょう。そして自分のボールが残ったと思われるピッチマークを探してみましょう。
ピッチマークはグリーンにのってすぐが修復のタイミングとして適しています。見つけたら修復をするということを習慣化し、パターの順番が回ってくる前に気になる部分を減らしておきましょう。これはパターに集中するためにも必要です。
また、初心者の場合はボールのスピン量も少なく、大きなピッチマークがつかないかもしれません。その場合は、修復する必要はありませんが、もし、余裕が出てきたら自分以外のピッチマークを見つけてなおしてあげるのもマナーです。
ピッチマークの修復方法
グリーンフォークを手にしたら、早速修復してみましょう。ピッチマークをよく見てみると、ボールが飛んできた方向の逆側に少し盛り上がった部分があると思います。その盛り上がりを見つけたら、フォークの出番です。フォークを盛り上がり部分の少し外側からくぼみの中心に向けて差し込みます。
グサッと深く差し込み寄せます
グリーンフォークは2~3cm以上はしっかりと差し込みます。差し込んだ後はくぼみの中心に向かって盛り上がった部分を戻すように寄せます。フォークが浅いままだと、この盛り上がった部分の芝が剥げてしまうので、下の根と土ごと動かすような気持ちでギュッと寄せます。これを何度か繰り返し、全体的に中心部に寄せましょう。
仕上げはトントンで出来上がり
盛り上がった部分が中心に戻ったら、パターで上からトントンと軽く叩いてみましょう。中心のくぼみが少し残っていたとしても、パターの平らな面で軽くたたくことでフラットな状態に戻ります。
あまり強すぎると、せっかく修復した部分が陥没することもあるので、軽くトントンと叩いてください。これでグリーンのピッチマーク修復完了です。
ピッチマークをスマートに直すために必要なこと
ピッチマークは放置しないことが一番です。そして、正しく修復することもマナーのひとつであるといえます。ここでは修復方法の注意点とフォークがない時や硬いピッチマークへの対応方法をご紹介いたします。
ピッチマーク修復のポイントは持ち上げないで寄せるだけ
ピッチマークの修復でよくある間違いが、くぼみの中心部分を持ち上げてしまうことです。くぼんでいる部分をフラットにしたいという気持ちはよくわかります。そのためには中心部を引き上げることが最も手っ取り早いように思えます。
しかし、持ち上げたことのある人ならわかると思いますが、中心部分を持ち上げた瞬間、「ブチブチッ」と芝の根が切れる音がします。これでは芝はもう生きていられません。栄養を吸い取るべき根っこがなくなってしまった芝は、枯れるのみです。そのため、修復するときは持ち上げないように気を付けましょう。
グリーンフォークが手元にない場合
ラウンド前にボールとボールマーク、ティー、グローブなど準備万端と思っても、フォークだけ忘れてしまうことがあります。その場合は、手持ちのティーで修復が可能です。
最近では1本爪のフォークもよく見られるようになりました。ショートティーでは難しいですが、ロングティーに関しては一本爪グリーンフォークの代用品となります。
1本爪の場合は、中心に寄せることが難しいので、マーク全体的に上から縦に数回突き刺します。そのあとでパターを使って平らに戻します。少しでも後ろの組が気持ちよくプレーできるよう、最低でも自分のマークは直すようにしましょう。
寄せても寄らないピッチマークの修復方法
自分のピッチマークの修復をした後、余裕が出てくると2個、3個と他人のピッチマークを直すことがあります。しかし、時間がたったピッチマークは芝が乾燥し元に戻らない場合もあります。また、ボールの入射角によっては芝が一緒に剥がれてしまい、寄せる芝がなくなっていることもあります。
このように寄せても戻らない場合は、ピッチマーク周辺から中心に向けて無理して寄せるのではなくグサグサっと縦に数回刺して、パターでトントンとしておきましょう。こうすることで刺した穴から水が入り、新しい根が育ちやすくなります。
「誰かがする」ではなく、「自分が率先してする」
ラウンド中は、メンバー同士が良くも悪くも影響し合っているのがゴルフです。「人の振り見て我が振り直せ」も良いのですが、自分が率先してピッチマークの修復をし、チームをリードする気持ちを持ちましょう。みんなが気持ちよくゴルフができる環境づくりもマナーのひとつと言ってよいかもしれません。
ピッチマークとグリーンコンディションの関係
ゴルフ場のグリーンは、日本では「ベントグリーン」と呼ばれるグリーンが大半を占めています。トーナメントをTVで見ていると、コンパクション・グリーンスピード・刈高などのコンディション情報が出てきますが、通常、ゴルフ場では2.5mm~4.0mm程度の刈高でグリーンの芝を刈っています。そして、その下には5cm~10cmの芝の根が生えています。
植物は上に成長しますが、その成長を抑えながらきれいなグリーンを維持するためには知識と技術が必要です。
猛暑が与える芝への影響
日本の夏は猛暑から酷暑へと変わってきています。最近では、真夏のゴルファーはスコアよりも体力勝負といった様相です。ホールアウトができれば今日の目標達成という方もいるかもしれません。
そしてまた、人と同じく真夏は芝もダメージを受けています。根は短くなりますが、緑の葉の部分は相変わらず4mm前後です。そのうえ毎日踏まれ刈り込まれます。試合になればコンパクションを求められ、ローラーで毎日転圧されます。芝にとっては呼吸をしたいのにできないという状況が長時間続くことになります。
真夏のピッチマーク
そんな真夏にできたピッチマークは、回復に時間を要します。春や秋のグリーンは、肥料がまかれ、エアレーションと呼ばれる更新作業(穴あけ)や砂まきを行うため、比較的早く治りますが、真夏は回復が難しい状況にあります。
夏に1日放置したピッチマークが回復に要する期間は2週間~4週間程度です。1時間以内に修復したピッチマークは2~3日で完全に回復します。ピッチマークを見つけたら、芝のSOSだと思って、優しく直してあげましょう。
ピッチマーク修復から得られるもの
ピッチマークの修復はゴルフマナーのひとつです。また、プレーヤーにとってはグリーンコンディションを知るための重要な行為でもあります。これはピッチマークを修復し続けることで、グリーンの硬さ、水分の多さ、フォークに付着する砂の量、など様々な情報を得ることができます。
上級者の中にはフォークを刺して感じた感触から、その日のグリーンの硬さを知り、アプローチの弾道を変更するという方もいます。初心者の頃からグリーンフォークを刺した感触を覚えることで、グリーンの攻略につながることもあるでしょう。
まとめ
今回は、初心者の方や今まであまりピッチマークを気にしなかった方も簡単に修復できるグリーンフォークの使い方、具体的な修復方法をご紹介いたしました。ゴルフマナーのひとつとして、またグリーンコンディションを知るためにも、グリーン上のピッチマーク修復をぜひ実践してみてください。