初心者だからこそ知っておきたい!ゴルフアプローチの打ち方と練習法
どれだけうまくグリーン周りまで運べても、アプローチ次第でスコアは崩れてしまいます。ドライバーやアイアンに比べアプローチの練習は一見地味ですが、グリーンの状況に応じた打ち分けができれば、大幅にスコアアップが目指せます。練習を繰り返しスコアアップを図りましょう。
アプローチとは?
アプローチとは、「アプローチショット」の略称です。距離は様々ですが、概ねグリーン周りからピンに寄せるためのショットを指します。
アプローチは、他のスイングに比べクラブの振り幅が狭く、一見シンプルなショットで簡単に見えます。しかし、小さなスイングが故に、再現性や同じ動きが反復できることが求められ、全てのスイングの基本となる要素が詰まっています。
アプローチをマスターすることで、グリーン周りのミスを減らすだけでなく、ドライバーやアイアンなど他クラブのスイング技術向上も目指しましょう。
アプローチの打ち方
アプローチを打つ距離は、近ければ10ヤードから離れていれば50ヤード以上と、様々となります。多少の打ち方の違いはあれど、距離が変わっても基本の打ち方は同じとなります。まずは基本の打ち方を解説します。
アプローチで振るクラブ
アプローチで振るクラブは、ロフト角が56~58度くらいの「サンドウェッジ」をおすすめします。ロフト角のまま素直に打ってもしっかりと球が上がり、スピンをかけてくれるためグリーン上で綺麗に止まってくれる球を打つことができます。
とはいえ、アプローチについても他のシチュエーションと同様、クラブの指定はありません。状況に応じてピッチングウェッジやアプローチウェッジを使うことも可能です。7番アイアンなどで、球を上げずに転がすアプローチをする方法もあります。
ライの状況等を加味して、球筋を考えてクラブを変えられるようになれば、より正確なアプローチができるような打ち分けの選択肢を広げることができます。
体の回転で打つ
アプローチは、体とクラブが連動して動き、体の回転で打つことが大切です。手や腕でクラブを操作してスイングしてしまうと、フェースがかぶったり開いたりしてしまい、打ち出しが左右に散らばってしまいます。
両足を近づけ、足先は少し左に向けて、狭いオープンスタンスを取ります。重心は左足重心を意識し、クラブは少し短く持ちましょう。骨盤を前傾させ、背筋を伸ばします。このとき、猫背になってしまわないよう注意しましょう。
ハンドファーストで構え、体とグリップエンドの間が、コブシ1.5個分となるようにします。この体とグリップエンドの間隔が変わらないよう、クラブと体が連動して動くことがポイントです。
前傾が深すぎると、グリップエンドが体から離れてしまい、前傾が浅すぎるとグリップエンドが体に近づきすぎます。1.5個分がキープできる前傾角度を見つけ、固定して打てるよう練習をしましょう。
手打ちにならないようにし、お腹が右に向いてテークバック、振りぬきはお腹を左に向けてフォロースルーします。この動きができると、シンプルにクラブを振りぬくことができ、ダフりやトップを防ぎながら打ち出しを安定させることができます。
スイングの振り幅
アプローチにおけるスイングは、左右対称となることが大切です。バックスイングからフィニッシュが、腰~腰・膝~膝となるようにスイングします。毎回同じ軌道で、同じ打点でインパクトを迎えられるようにする、再現性・反復性が重要となります。
この左右対称の振り幅で打てるようになれば、あとは振り幅の大きさで距離を調整できるようになります。繰り返し練習をするなかで、30ヤードなら膝~膝だな、と自分なりの振り幅を見つけ、距離に応じた打ち分けができるようになりましょう。
アプローチの打ち分け
コースによってグリーンは非常に様々な作りになっています。砲台グリーンといわれる背の高いグリーンや、激しい傾斜のついている2段グリーン等、球を上げなければいけないときや球の落としどころを計算しないといけないシーンが出てきます。
アプローチにおける球の打ち分けについて、上げたい、転がしたい等、球筋ごとに分けて解説していきます。
高い球を打つ
砲台グリーンや間にハザードがあって高く球を上げてぴたりと寄せたいとき、基本となるスイングは上述の通りとなります。ポイントは、球を前(左足)に寄せて置くことです。
球を上げようと、下からすくうように打ってしまうと、ダフリやトップが起きてしまいます。アドレス時の姿勢を崩さず、必ず最後まで球を見て、ヘッドアップにならないようにしましょう。
低い球を打つ
2段グリーンや急な傾斜のグリーン等、球を低く打ち出してピンに寄せたいときは、基本スイングは同じで。球を後ろ(右足)に寄せて置きましょう。この際、球を上げたくない、とヘッドをかぶせるように打ってしまうと、球は左側に出てしまいます。
球を後ろに置くことで、振り幅の少ないアプローチでは手打ちしてしまうとフェースがかえりきらずに右に出てしまったり、体からグリップエンドが離れてダフってしまったりします。
体が回ってから手がついてくる、といったイメージでスイングすると、手打ちを防ぎまっすぐ打ち出すことができるようになります。
球を転がす
グリーンまでの距離が10ヤードを切っていて、球を浮かせずに確実にピンに寄せたいときは、パターを使って転がすのも一つの手です。グリーンに比べ、エッジやラフの芝は立っています。芝の抵抗に負けないように強めに打つことを意識しましょう。
また、芝が逆目であれば打ち出しや転がりが悪くなります。転がしたいけどまだ少し距離があるときは、パターではなくロフト角の立ったクラブ(ショートアイアン等)を選択し、転がすのもありです。
アイアンを使って転がす際は、クラブを短めに持ち、スタンスを狭くして細かくスイングします。パターを振るときのイメージで、軌道は打ち出し方向に対してまっすぐテイクバックし、まっすぐ振りぬきましょう。アプローチ同様に、左右対称の振り幅が理想です。
アプローチ時のメンタルキープ
アプローチは、グリーンに近いため色々なことを考えてしまい、打ち急いだり力んでしまったり、逆にオーバーしたくなくて手元が緩んでしまいグリーンに届かなくなったり、と普段あまりしないミスをしてしまうことがあります。
冷静に集中してショットできるよう「もしかしたらチップインできるんじゃないか」「グリーン脇のバンカーに入ったらいやだな」といった邪念を取り払い、「ピンに寄せる」ために、考えるべきことだけを頭に入れてショットしましょう。
アプローチ時に考えるべきこと
アプローチのショット時に考えるべき・意識すべきことは1点です。前述したように、アプローチは再現性が求められます。アドレスに入ったら、この1点以外は頭から排除し、集中してショットをするようにしましょう。
どのような球を打って、どのようなラインで最終的にどこに置きたいか、はアドレスを構える前にグリーンを見て把握するようにしましょう。いざショット、と構えるときには、
球を落とす場所
構える前にラインを見て、球を落とすところを決めれば、打つ時は「あそこに落とす」その1点のみを考えるようにしましょう。アドレス前にイメージしたラインに乗って理想的なところへ球が行くと信じて、球を落とす先だけを意識してください。
その1点に集中することで、余計なことは考えずに落ち着いてスイングすることができます。アプローチはグリーンに近くピンが見えている分、力んだり緩んだりのミスをすると精神的にもダメージが大きくなります。
自分のイメージを信じて振りぬけば、球は素直にラインに乗ってくれます。力を抜いて、集中してショット出来るメンタルをキープしましょう。アドレス前の素振りのルーティンを決めて、集中を促すのも良いかと思います。
まとめ
アプローチは、簡単そうに見えて実は繊細なスイングが必要になります。スイングの基本が詰まっているからこそ、再現性・反復性が求められます。
練習を繰り返す中で、自分の振り幅に応じた距離感や、球筋の打ち分けが見えてきます。コースに出ても自信を持って振りぬけるように、普段の練習では距離や球の高さを見ながら練習するようにしてください。